リクルートと比較したシェアエコサービスのビジネスモデル
シェアエコサービスとは
シェアリングエコノミーという言葉はここ数年で一気に認知度を広げてきていますが、TABICAを運営する中でホストの方とお話していてもやはりまだまだ知らない方多いのが現状です。
シェアエコは共有経済とも言われますが、モノ、時間、スキル、お金といったものを個人間で共有し、ビジネスをする経済のことを指します。
個人間の取引ですので、お互いを信用できるかが重要になります。その信用を見える化し、決済のやり取りを仲介するサービスが登場しています。
アメリカで有名なサービスだと民泊サービスのAirbnbやライドシェアサービスのUberがあります。
日本だとメルカリが代表格なのではないでしょうか。
その他にもガンガンと様々なジャンルでサービスが立ち上がっています。
基本的にはどのシェアエコサービスもトランザクションごとの手数料ビジネスをしているところが大半で、手数料率は決済金額の15%~25%をプラットフォームサービスが差し引くビジネスモデルをしています。
リクルートのリボン図
シェアエコは個人間でのマッチングサービスですので、リクルートのリボン図と似ているかと思いますが、ビジネスモデルは根本的に異なります。
リボン図のビジネスモデルは、クライアントと顧客をマッチングさせ、そのトランザクションからの手数料売上ももちろんあるかと思いますが、基本的にはクライアントサイドから集める広告費用が大きいビジネスになっています。
その意味では、より多くの広告費を集めるために巨大なリボン図を作ろうとします。
リクルートは営業部隊が強いので、人海戦術でたくさんのクライアントを集め、顧客獲得に向けて大量の広告宣伝費を投下します。
そして、顧客が集まるのでより多くのクライアントが集まり、競争環境を作って広告宣伝費をクライアントから集めるという流れになります。
リクルートのリボン図はクライアントからの広告費によって成り立っていますが、シェアエコサービスではこのビジネスモデルを採用することはほぼ不可能です。
なぜならシェアエコの場合はCtoCという言葉の通りサービス提供者サイドも個人ですので、個人が払える広告宣伝費は限られています。
そもそも、シェアエコでサービス提供する人は本業を別で持ちながら副業的に関わる方が大半ですので、広告を投下してガチでビジネスを仕掛けるという文化がありません。
(個人に近いスモールBはあり得るかもしれませんが、ここではそのような人を個人と呼んでいません。)
また、リクルートのリボン図モデルの場合はサービス提供者サイドはホットペッパーだと飲食店、ホットペッパービューティーだと美容院とかになるので、提供者サイドの数は限られています。
しかし、CtoCであるシェアエコサービスは個人がサービス提供をするので、桁違いに数が多くなります。
結果的にリクルートのリボン図に比べて桁違いに大きなリボン図が出来上がりますので、トランザクションも桁違いに大量に発生します。
ですので、トランザクションごとの手数料率は小さくてもビジネスが成り立つという構造をしています。
ホスト・ゲスト転換
シェアエコサービスは個人間での取引ですので、ある時は提供者に、ある時はお客様に転換するという特徴があります。
メルカリでは、物を販売もするし、買うこともあります。出品者であり、購入者でもあるということです。
この特徴がシェアエコにおける巨大なリボン図を創る源泉になります。
なぜなら、出品者の獲得は購入者の獲得になり、購入者の獲得は出品者の獲得にもなります。
また、出品したことで得たお金は手離れがいいので、次に購入に使ったりすることが多いです。
結果的に大きなトランザクションを生み出すことに繋がります。
リクルートも同様ですが、提供者サイドと購入者サイドの獲得費用は別の予算として組んで集めることが大半な中、同じ獲得費用で両方集まるというローカロリーな構造をしますので、一度火がついたら一気に拡大する特徴を持ちます。
グロースハック人材が重要
これまで書いた通り、シェアエコサービスは一概には言えないのですが基本的には巨大なリボン図を作って大量のトランザクションを発生させ、手数料売上でビジネスを成り立たせるという特徴があります。
このトランザクションが桁違いに多いので、基本的には人海戦術的な戦い方は消耗戦に突入して耐えられません。
従って、プロダクトの10%改善をひたすら繰り返して複利で成長させ、3,4年で一定の規模感まで仕上げるという戦い方になるのかなと思います。
言い換えると、3,4年間を耐え凌ぐ戦いで、当然立ち上がらない可能性もありますので、シェアエコサービスを立ち上げるというのはそれなりにリスクの高い戦いであることは間違いありません。
常に希望と絶望を行ったり来たりしながら、ただ、黙々とプロダクトの改善を続けることができるかが鍵となります。
ここからだいぶ主観的な話になりますが、プロダクトの10%改善を続けるということで、シェアエコサービスでは優秀なエンジニアがいるかが勝負の分かれ目になるだろうなと思っています。
また、3年目くらいにはデータ解析ができる人がいないとしんどいだろうなと思います。
初期フェーズはトランザクションが少なすぎてデータを見るより主観的な情報の方が重要ですが、3年くらい経つとそれなりのサイズ感にもなってきますので、数字を見て改善するというサイクルが重要になります。
エンジニアが重要になってくるのも、リクルートの営業部隊によるビジネスとの違いになるのかなと思います。
最後に
わかったようにリクルートのリボン図について触れていますが、僕はリクルートで働いたこともないので、実際違うよという事はあるかもしれません。
どんどんビジネスモデルも変えてきているので、上で書いてることは昔の話になってしまっていることもあるかと思います。