生きる目的が必要な時代
僕は昔から「子供の頃に会える大人が少なすぎる」という問題意識を持っています。
小学校や中学校が、小さな世界だったことに大人になってから気づくのですが、その当時は学校の教室が世界であると勘違いしてしまう人も多いかと思います。
会える大人も両親、親戚、仲の良い友達の親、学校の先生、という具合に出会える大人が少なかったなと。
大学生くらいになり、やっといろんな大人に出会うことができて初めて世界は広いんだなーと気づき始めました。
もっと自分と異なる人生を歩む人と出会いたいと思い、バックパックを背負って旅もしていました。
小学生や中学生時代に会える大人から想像していた人生は数パターンでしたが、人との出会いを通してこんなにもいろんな生き方をしている大人がいるんだなーと実感しました。
いろんな大人の生き方、人生を通して世界の広がりを実感できたわけです。
学校という小さな世界で生きづらさを感じてあたかもそれが世界だと勘違いして絶望し、苦しむ人もいます。
でも、日本だけ見ても生き方はたくさんあるし、自分の生きやすい人生はどこかにあります。
自分の才能が活かせる人生はきっとあります。
僕は人を通して生き方を学べる教育をしたいと考えています。
この教育は上で書いているとおり、ペーパーテストの点数をあげるようなものではなくて、自分の生きる目的を見つけることができるような教育です。
良くも悪くも食べることに困らなくなった時代に生まれた僕らは幸せなようで本当に幸せかもわからない。
明日生きることに必死だった時代はある意味で幸せだったのかも、と思ってしまいます。
「ごはんを食べるだけでは幸せになれない」という当たり前のことに気づいてしまったこの時代に生まれた僕らは「なぜ生きてるのか」の答えを探しています。
その答えは人それぞれであり、だれも教えることができないけれど、まずは「多くの人と出会う」ということが重要だと思います。
人との出会いは、学校の教室のように小さかった世界を広げていき、自分の人生の目的を見つける手助けになります。
今やっているTABICAは旅を通じて人と人を繋げています。
僕らが生まれるずっと昔から、人は旅をしてきましたが、旅の本質は「人との出会い」にあるのではないか。
現地で暮らす人との出会いを通して、自分と異なるアイデンティティと触れ、異なるアイデンティティとの出会いが、自分のアイデンティティの再発見に繋がる。
自分探しの旅のような価値をTABICAを通して提供できるのではないか。
有名な観光地を巡って旅行した気分になる旅を終え、本当に贅沢な旅をより多くの人が体験できる世の中にしていく。
そのことを通して自分を知り、生きる目的を見つける。
そんな世界を創っていけたらと思っています。